活動報告

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医療用物資無償提供

令和2年3月、4月の新型コロナウイルス感染症のいわゆる第一波の局面において、世界的にN95マスクやガウンなどの防護具、消毒薬等の医療資材需給が逼迫し、医療機関では本来使い捨てるべき防護具をやむを得ず再利用せざるを得ないなど、医療現場は逼迫した状況となっていました。
令和2年4月上旬、台北ロータリークラブから東京北ロータリークラブを通じ、「感染封じ込めに成功した台湾から日本の医療従事者へフェイスシールドを寄贈したい」という申し出を受け、寄附金、寄附物資の受け入れと医療機関への無償提供を実施しました。
この後、通常の寄附に加え、使途を新型コロナウイルス感染症に関する事業とする「新型コロナウイルス感染症対策緊急支援寄附」の受付を開始し、この寄附金及び寄附物品の活用に加え東京都看護協会も資金を拠出し、感染症の拡大に伴う国内の医療現場の混乱を防ぎ、最前線で治療にあたっている看護職及び医療従事者を支援するため、感染防止対策上必要な医療器具等を無償提供するなどの各種支援を実施いたしました。
医療用物資の無償提供を令和3年度まで実施しました。

無償提供実績

台湾より寄贈されたフェイスシールド

看護職員応援派遣調整

新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生した医療機関に対し、看護職員の派遣等を以下のとおり実施いたしました。

[都内の医療提供体制確保のための活動]

東京都との間で「新型コロナウイルス感染症対応の発生に伴う必要な医療・看護等の提供に係る協力及び費用弁償等に関する覚書」を締結し、この覚書に基づき、医療機関1か所に対し、当協会職員及びアドバイザーの派遣と共に、他病院からの看護師の派遣調整を行いました。

[都外の医療提供体制確保のための活動]

1.日本看護協会(以下、日看協という。)が、厚生労働省から「地域の医療提供体制確保のための看護職員の派遣調整事業」を受託。

2.1に基づき、日看協が当協会との間で「新型コロナウイルス感染症対応のための都道府県外看護職員の応援派遣調整に関する協定書」(以下、応援派遣調整協定という。)を締結。

3.応援派遣調整協定に基づき、当協会は、日看協から応援派遣要請を受け、北海道・大阪府・仙台市・沖縄県の医療機関及び宿泊療養施設に対し当協会で雇用した17名の看護職員を派遣。

感染症対策応援派遣ナーススキーム

看護職支援

1.新型コロナウイルス感染症対策プロジェクト会議 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受け、令和2年4月1日、新型コロナウイルス感染症対策プロジェクト会議を設置、同会議を中心に感染拡大防止策の情報発信、クラスター発生施設への支援等を実施しました(令和3年度まで設置)。 2.医療機関への支援 関係機関との連携のもと、医療機関や福祉施設など看護職が従事する施設への支援活動を実施いたしました。

1)新型コロナウイルス感染症に関する相談対応

2)公式webサイトでの新型コロナウイルス感染症に関するQ&A掲載

3)新型コロナウイルス感染症に関する精神看護専門看護師によるメンタルヘルス相談対応

4)中小規模施設に対する新型コロナウイルス対策に関するアドバイス実施

5)新型コロナウイルス感染症対策プロジェクトweb特設ページ開設

3.クラスター発生医療機関への対応 東京都内医療機関等において感染者(検査陽性者)発生が明らかになった際時、関係機関との連携のもと、医療機関からの支援要請を受け実際に現場に入り支援を実施しました(4医療機関)。

1)新型コロナウイルス感染症対策に関する感染管理認定看護師等アドバイザー派遣

2)看護管理者による訪問指導及びアドバイス

3)精神看護専門看護師によるメンタルサポート

教育・研修

1.オンライン・オンデマンド研修の導入 令和2年春の新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、集合形式での研修実施を一時停止し、オンライン開催やウェブ配信に切り替えで実施してきました。
オンライン・オンデマンド研修は、感染症の発生状況に関わらず受講がしやすいことから、令和4年度の協会に対するニーズ調査でも多くの実施要望が寄せられました。
今後も研修内容や効果を踏まえたうえでオンライン研修を継続し、より多くの看護職に継続教育の機会を提供する環境を整えます。
2.感染対策研修の実施 東京都内医療機関、福祉施設等の看護職を対象としたオンデマンド配信の新研修「感染対策指導者養成研修」を令和2年10月より無料で開講しました。深刻な危機に直面する医療現場を人材育成支援でバックアップしています。

1)感染対策マネージャー養成研修(令和2~3年度)

自施設内において感染対策の指導を行うために必要な知識・技術を習得するプログラムです。
修了者:令和2年度189名、令和3年度180名
なお、研修開始時点では新型コロナウイルス感染症に対してどのような対策が必要なのかが国としても手探り状態の時期であり、研修内容としてもクラスター対応などの事例紹介の占める割合が多くなっていたことから、令和2年度の研修受講者に対するフォローアップ研修を令和3年度末に実施しました。

2)感染対策アドバイザー養成研修(令和2年度)

所属地域において自施設以外の施設に赴き指導を行うために必要な知識・技術を習得するプログラムです。
修了者50名

3)東京都感染対策リーダー養成研修(令和4年度~)

上記「感染対策マネージャー養成研修」を東京都からの受託事業として継続実施。薬剤師・臨床検査技師も対象者として拡大しています。修了者:令和4年度177名。

3.ワクチンセミナー 医療従事者のための新型コロナウイルスワクチンセミナー
看護師、医師、薬剤師等の東京都内医療従事者を対象としたセミナーを令和3年2月27日にオンラインで開催しました。医療従事者への先行接種が令和3年2月17日に始まり、同年5月には高齢者等のワクチン接種がスタートする中、安全に接種するための正確な情報提供を目的として開催しました。募集は短期間でしたが、当日は710名という多数の参加がありました。
研修オンライン化

ワクチン接種支援

1.新型コロナウイルスワクチンの中小企業を対象にした共同接種に協力 東京都医師会、東京都歯科医師会、東京都薬剤師会、当協会で構成される「東京ワクチンチーム(TVT)」の一員として令和3年7月8日から9月30日までの77日間及び令和4年2月28日から4月15日の38日間、東京商工会議所渋沢ホールで実施されたワクチン接種プロジェクトに、看護師チームを派遣しました。 2.潜在看護師へワクチン接種実施 東京都からの協力要請を受け、ワクチン接種業務に携わる潜在看護師が安全・安心にワクチン接種業務を実施できるよう、亀有病院様との協働により新型コロナワクチン接種を実施しました。
令和3年5月~6月 計451名にワクチン接種
3.ワクチン手技セミナー

1)病院看護師向け「安全なワクチン接種 実技講習会」

新型コロナウイルスワクチン接種実施に伴い、筋肉注射の正しい手技の再確認が求められていることから、一般的なワクチン接種に必要な皮下注射、筋肉注射の安全で正確な実技を再度学ぶ機会として実技講習会を実施しました。
令和3年3月23日~31日  計9回開催 174名参加

2)潜在看護師向け 新型コロナワクチン集団接種のための筋肉注射 実技セミナー

新型コロナワクチン接種に伴い、集団接種への協力を検討する潜在看護師が増加したことから本研修を企画しました。ブランクがあり注射手技に不安があることから協力を迷う看護職も存在するため、本セミナーでは、看護職がワクチン集団接種に関する知識・技術を習得し、安全に実施できるよう支援するとともに、新型コロナウイルス感染症の予防接種体制の確保に向けて、ワクチン接種に対応できる看護職の確保を目指し実施しました。
令和3年3月23日~5月15日  計40回開催 1,094名修了

3)歯科医師向け「歯科医師による新型コロナワクチン接種のための筋肉注射実技研修」

令和3年5月から開始された高齢者等のワクチン接種にあたり、自治体や大規模接種会場においてワクチンの打ち手の確保が課題となっていました。そこで、東京都からの依頼により、基礎知識についてはeラーニングで修了している歯科医師を対象に実技研修の支援を行いました。参加者の取りまとめは東京都歯科医師会が実施しました。
令和3年6月3日~7月20日 計8回開催 815名修了

4)島しょ医療従事者向け「安全なワクチン接種のためのワクチンセミナー」

島しょ部に関しては、新型コロナウイルスの感染状況により島を出られない医療従事者も多いため、実技演習は行えませんでしたが、オンラインでワクチン手技セミナーを開催しました。
令和3年5月26日及び27日 計2回開催 16名参加
筋肉注射実技

PCR無償検査事業

看護基礎教育における臨地実習は、知識・技術を看護実践の場面で適用し、看護の理論と実践を結びつけて理解する能力を養う場として大変重要です。コロナ禍において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大リスクが高い医療機関などでの学修の担保をするため、いただいた寄附金を活用し、看護師養成学校に対してPCR検査キットを無償で提供しました。
令和3年7月~10月 37校に対し10,892個のPCR検査キットを無償提供

PCR検査キット

オンライン面会支援事業

新型コロナウイルス感染拡大により、ウイルスの感染経路の遮断を目的として、様々な場面において対面式の面会が制限されました。
患者と家族の直接の交流が行えないことは、患者と家族にとって大きなストレスとなります。医療スタッフは感染対策と患者対応の両立に苦慮し、面会制限に対する家族からの苦情やクレームへの対応に追われているとの報告も寄せられていました。
こうした状況を受け、医療施設等の利用者とその家族等における「オンラインでの面会実施」に必要なタブレット端末をいただいた寄附金を活用して提供するとともに、運用実施のサポートを行い、質の高い看護提供の一助となるよう支援しました。

タブレット端末無償提供 185件

オンライン面会用タブレット
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